町医者 松嶋大ブログ

岩手県盛岡市で「なないろのとびら診療所」を運営する町医者・松嶋大のブログです。

ちっちゃいばあちゃんと鰻と僕

この週末、ちっちゃいばあちゃんと鰻を食いに行った。

(「食いに行く」という、少々乱暴な言い方がしっくりくるのだ)

 

 

ちっちゃいばあちゃんこと、ぼくが愛して止まない、かかりつけ患者さん。

実は、ぼくは存命中の患者さんについてブログやSNSで書くことは決して多くない。

見送ったあとなどに、備忘録や感謝を込めて書くことは多くても。

 

でも、今回は存命中に書かなければいけないと思った。

というのも、ぼくにとって唯一残されたばあちゃんだから。

 

ぼくには、四名のばあちゃんがいる。

(義理祖母を除いて)

 

実のばあちゃんが二人。

すでに他界。

 

もう一人は大きいばあちゃん。

やはり、かかりつけ患者さんなのだが数年前に他界。

 

というわけで、唯一残ったばあちゃんが、このちっちゃいばあちゃん。

 

小柄だから、ちっちゃいという形容詞。

そして、おばあちゃんでも、おばあさんでもなく、ばあちゃん。

(このあたりの細かいニュアンスには深い訳があるのだが、長くなるので、また別の機会に)

 

いずれ、唯一残ったばあちゃん。

 

 

話を戻そう。

今週末、ちっちゃいばあちゃんと鰻を食いに行った。

 

本来であれば、氷川きよしのコンサートをご一緒する予定だった。

が、コロナ禍の中、延期に。

 

延期とは来年5月!?

ばあちゃんほどの歳になれば、来年の5月が無事に来るという保証は、どうだろう。。

来年に一緒に行けたら最高だけど、人生、一寸先は闇、明日が来る確証すらない。

だからこそ、今を大事に、何かできるんだったら今にでもと。

 

そこで、本人に語った。

「来年に生きている保証なんかないから(お互いにね)、今のうちに、盛岡で一番上手い鰻でもごちそうするぜ」と。

続けて、「冥土の土産になるね!」と毒を吐き、お互い笑いあった。

 

というわで、鰻。

僕だけだったらつまらないだろうと、スタッフや子どもたちも大勢で行った。

終始和やかに、笑い声が絶えず、ちっちゃいばあちゃんは時折泣きながら、楽しい会食になった。

 

最後、写真を撮ろうという話になり、お店の人に写真撮影をお願いした。

「遺影にできるような最高のやつを撮っください」と。

本人にも聞こえるような声で、お店の方にも毒を吐く。

 

 

いやはや、最低な町医者ですな。

冥土の土産とか、遺影用の写真だとか。。

 

 

はいはい、もちろん冗談ですよ。

最後に残った唯一のばあちゃんですからね、まだまだ、まだまだ長生きしてもらいますよ。

長生きしてもらうために、力をつけてもらうための鰻ですからね!

 

 

それにしても、不平等な町医者だ。

他の患者さんに同じようなことをするわけじゃないし。

 

えこひいき上等だぜ!

 

散々えこひいきして、まだまだ長生きしてもらいますよ、元気にね、ちっちゃいばあちゃん。

 

 

 

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総合診療をベースに、認知症治療と在宅医療、そして終末期医療に取り組んでいる、事象「患者バカ町医者」の松嶋大が、日々の実践をみなさんに共有し、またみなさんからも共有してもらいながら、これからの「医・食・住」を語り合うサロンです。

 

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ちっちゃいばあちゃんとスタッフと僕と記念撮影