町医者 松嶋大ブログ

岩手県盛岡市で「なないろのとびら診療所」を運営する町医者・松嶋大のブログです。

ただただ、目の前の人に最善を。

感動というか、感激というか、驚愕というか。

 

まずは、事実を淡々と記述したい。

 

先日の朝、薬剤師さんから連絡。

かかりつけ患者さんが薬局に来て、診療を希望されていると。

 

症状を確認すると重症が否定できない。すぐに診察ができなかったので、いつもお世話になっている先輩ドクターのところを受診するよう、薬剤師さんを通じて提案。

 

午後に薬剤師さんから再び連絡がある。

軽い脳卒中で、某病院にこれから入院になると。

 

「ご報告ありがとう、本人から連絡が会ったのですか」と尋ねた。

 

すると、この答え。

先輩ドクターへの受診から入院まで、ずっと付き添っていたと。

 

実に6,7時間。

この間、通常業務は、他スタッフに任せて。

 

この同行、お金をもらうわけでもないし、何かしらの報酬がつくわけでもない。

ただただ、同行。

ボラティアである。

 

すごい、すごいと、賞賛を当の薬剤師さんに伝える。

アタリマエのことをしたまでだという、実にシンプルな回答。

認められたいわけでも、褒められたいわけでもなく、ただ困っている方のためにやっただけ。

 

 

薬剤師という専門性とは関係がない行動だし、制度という枠組みで考えても全く報われない行動だ。

 

資格や制度の枠組みの中のみで行動している人にとっては、今回のような行動はありえないし、認められないはず。

 

 

月次な言葉しか思いつかない。

ただ素敵。

 

何が素敵って、三つ。

 

まず、困っている目の前の人にシンプルに最善を尽くす姿勢。資格や制度、組織を言い訳にせず。

次に、この行動を尊重し、支援するスタッフ。愚痴を言わない。

最後に、こういうお金にならない行動を許容する経営者。

 

いくら、目の前の人にと思って行動したくても、周りと上司の理解がなければできない。

逆にいえば、理解があったとしても、本人にそのつもりがなければ、やはりできない。

 

提案だけして、あとは本人や家族に任せることもできるはず。

(今回は家族が遠方ですぐ対応できず)

ここまでやらなくても、患者さんはもちろん、その他誰にも批判もされないはず。

 

でも、やる必要があるんですよ。

なぜって、目の前にただ困っている人がいるのだから。

 

資格だったり、制度だったり、組織だったりを、グダグダと言い訳している場合ではないんですよ。

なぜって、目の前にただ困っている人がいるのだから。

 

キレイゴトじゃないんですよ。

行動に移せば目の前の人は助かるし、移さなければ困っている人が目の前から去るだけ(さらに困る)。

 

 

ただただ、目の前の人に最善を尽くす。

実にシンプルなことだけれども、このキレイゴトのように見える複雑なことを、さらっとやり抜ける勇気。

そして、それを支える仲間と上司。

 

ただただ、目の前に人に最善を尽くせる人が、ごく近くにいること。

光栄だし、感動的だし、嬉しいし、心強い。

 

 

僕も、ただただ、目の前の人に最善を尽くします。

 

 

今回の記事では、とにかく、こういう勇気がある仲間がそばにいる感動をお届けしたいと思います。

 

 

 

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総合診療をベースに、認知症治療と在宅医療、そして終末期医療に取り組んでいる、事象「患者バカ町医者」の松嶋大が、日々の実践をみなさんに共有し、またみなさんからも共有してもらいながら、これからの「医・食・住」を語り合うサロンです。

 

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