町医者 松嶋大ブログ

岩手県盛岡市で「なないろのとびら診療所」を運営する町医者・松嶋大のブログです。

医療による”循環型コミュニティ”の再創造

「医療による循環型コミュニティの再創造」

 

僕が、オークをはじめ、私どもグループの取組みを語る(講演)ときのお題です。

 

循環型コミュニティ。

有り体に申せば、6次産業、地産地消です。

 

あえて、「循環型」とつけているのは、互いに顔が見える関係性で、小さな地域(コミュニティ)の中でぐるぐる循環すればいいなと。

「顔が見える関係性」が肝です。

 

例えば、とびきり美味しいニンジンを創る生産者と、それを美味しく頂く消費者。

生産者が6次産業でいうところの出発とすれば、消費者はまさにエンドユーザー。

本来であれば繋がりにくい人同士も、顔が見える関係性になる。

 

朝飯前に、畑からシャキシャキのキャベツとって、それを朝ごはんに食べる。

残ったら、ジュースにして、近くの産直で売ってみる。

ご近所さんが買っていってくれて、次の日に「美味しかったよー」という笑顔を届けてくれる。

 

循環するのは、何も、モノだけではありませんよ。

人、技術、知識、物語、そして関係性まで何でも。

 

このコミュニティの中になければ、ちょっと隣のコミュニティに顔を出せばいいですよね。

美味しいニンジンを隣町のスーパーで売って、帰りにスーパーでそのコミュニティ産の美味なほうれん草を買ってきたり。

 

普通のことかもしれませんが、昨今、普通じゃないと思います。

以前、重茂半島で、超弩級に美味しいワカメを頂きました。

地元の方に聞いたら、岩手県内にほぼ出回っていないとききました。

ほぼ東京にいってるって。

いやはや、実にもったいない。

(東京にいくのが悪いということではないんですよ。こんな美味しいものを岩手県人にあまり知られていないというが残念で)

 

 

次に進みましょう。

僕は、「医療による」と枕詞をつけましたが、医療でコミュニティを支えるなんて、だいそれたことは考えてません。

僕が所詮単なる町医者なので、その町医者が関わっているからという程度のニュアンス。

 

医療が地域のど真ん中にいたり、地域をどっぷり支えたりするという構図は、私にとっては実に気持ち悪いのです。

医療は確かに大切なインフラであることは理解していますが、平和な時期においては、他の産業と優劣をつけて語るものではないと思っています。

野菜が欲しいのだったら、自分で畑を作ってもいいし、八百屋さんで買っても良い。

何か困ったことがあったら、町の長老に相談に行ってもいいし、隣近所の弁護士さんに相談してもいい。

具合が悪かったら、うちにいるおばあちゃんに昔ながらの対処方法を聞いても良いし、隣近所のお医者さんにそうだんしても良い。

 

まあ、そんなイメージで、八百屋さんも、弁護士さんも、町医者も、地域の一員です。

地域の一員というところが、もう一つの肝ですよね。

それぞれが、決して特別な存在ではないと。

 

でも、便利な町医者がいれば、ちょっとは安心感がありませんか?

気軽に相談できたり、気軽に相談できたり。

やっぱり、健康会っての日々の生活ですからね。

でも、繰り返しますが、医療や医者が地域の中で特別という考えは捨てたいです。

 

 

こんなことを、誰もが差別されることなく、多世代が繋がって、顔が見える関係性で、コンパクトに住む。

そんな豊かな暮らしや地域を循環型コミュニティと名付けて、ぼくは目指しています。

 

 

今回の、コロナ感染拡大で、グローバルもグローカルも危うくなり、ますます個人や家族、地域というものがクローズアップされました。

おかげで、あらためて、僕自身の目標だったり、僕らのビジョンを再検討することができ、結果、やっぱり小さな循環型地域だよなと、ということになりました。

 

 

最後に、僕らのビジョンをお示ししますね。

 

ビジョン 〜こころのバリアフリー

生まれてから人生の最期の瞬間まで、大好きな場所で、大好きな人と、健康な時も、病気の時も、障がいがある時も、安心して、楽しく、輝ける豊かな人生を送れる社会の実現を目指します。

 

こういう社会になればいいなと、まだまだ漠然に思っています。

「安心して」というところは、まさに医療の出番だと思うんです。

だから、そこは地域に寄与できそう。 

でも、日々が安心だったら、人生はそれでいいかというと、それじゃあ、やっぱり物足りない。

やっぱり、楽しく、そして生きがいをもって、輝いて。

それでもって豊かな人生と。

 

この、循環型コミュニティが、僕が理想とする「輝ける豊かな人生を送れる社会」です。

 

ぼちぼち、理念だけ訴えているのではなく、もっと実践したいと思います。

オークとことのは農園、盛岡3事業所をつなげて。

 

 

〜オンラインサロンのご案内〜

総合診療をベースに、認知症治療と在宅医療、そして終末期医療に取り組んでいる、事象「患者バカ町医者」の松嶋大が、日々の実践をみなさんに共有し、またみなさんからも共有してもらいながら、これからの「医・食・住」を語り合うサロンです。

 

 

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ことのは農園で3世代農業