町医者 松嶋大ブログ

岩手県盛岡市で「なないろのとびら診療所」を運営する町医者・松嶋大のブログです。

町医者がビジネスを展開する理由 <町医者・松嶋の謎シリーズ③>

「医者なのだから医者だけをやったほうがいい」

 

幾度となく頂戴した助言であり、時に揶揄なこともある。

尋ねられることも多い。

 

「なぜ、そんなに事業をやっているんですか?」

 

なぜって、実にシンプルです。

目の前の患者さんの幸せのため。

 

 

これだけ。

 

 

町医者がビジネスを展開する理由。

その答えが、上記。

はい、おしまい。

 

 

 

これで終わったら面白くないので、もう少々説明を。

 

私、とにかく患者バカ。

一切妥協できません。

担当患者さんが困っていたら、とにかくなんとかしたい。

担当患者さんが不幸だったら、とにかく幸せを届けたい。

 

つまり、最善を尽くすことだけを考えています。

 

 

あるとき、「もう逝きたい」を連発する90代の女性がいました。

 

どうすれば、笑ってもらえるだろうか。

どうすれば、「長生きしてよかったー」と仰ってくれるだろうか。

 

とにかく悩みました。

 結論、女性がワクワクするような通所介護(デイサービス)を作っちゃおうと。

 

 

あるとき、便秘がひどい患者さんがいました。

どうやっても良くならない。

 

悩んでいる最中、コールドプレスジュースが良いという話を耳にしました。

早速機械を購入し、あれよあれよというまにカフェを開設。

 

 

ジュース、そしてカフェにはさらに物語があります。

とにかく、最高のジュースを創りたい!

じゃあ、土からだろうと。

そこで農園も運営することに。

 

要するに、カフェも農園も、この患者さんの便秘をよくするためでした。

 

 

こんな感じで、私が展開する全事業の創業に、必ず特定の一人の患者さんがいます。

そうです、一人の患者さんのために一つの事業を展開してきたのです。

 

 

話は飛躍します。

宮澤賢治が「農民芸術概論綱要 」の中で語っています。

 

世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない

 

 

偉人を前に、誤解を恐れず申せば、私のやり方は逆。

 

目の前の人の幸福を追求する先に社会全体の幸せが続く

 

 

ぼちぼち結論。

 

町医者がビジネスを展開する理由。

ビジネスが先にあるのではなくて、常に患者さんが目の前にいます。

その特定の患者さんの幸せを願い、その達成のために一つずつ事業を展開しているうちに、気づいたら7法人(一つの個人事業を含む)まできたということです。

 

 

ところで、私が数多く展開する事業所のうち、盛岡市前九年の「ゆきのいろTHEハウス(看護小規模多機能型居宅介護)」は二つの意味で特別。

 

まず、創業の理由は同じ。

一人の患者さんの幸福のため。

 

次に、ゆきのいろという名前に込めた想い。

とっても大好きだった患者さん、ユキさんからいただきました。

ユキさんは私のことを本当に応援してくれた方。

私が施設を作ったらいの一番に入るからねと。

しかし、急逝。

そこで、私が作る施設の完成を誰よりも願っていたユキさんを、とにかく憶えておきたいと、ご家族から許可をいただき、「ゆきのいろ」と名付けました。

 

 

今回も長くなりました。

私の謎、ご興味がない方がほぼ全員とは思いますが、ここまで読んでくださったことに深く感謝いたします。

 

すべては目の前の患者さんの幸福のため!

 

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ゆきのいろ THE はうすにて、大家さんと。